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現代版文通仲間、もといメル友、もとい友人からおすすめの本を借りました。石田ゆうすけの「洗面器でヤギごはん」、中島らもの「アマニタ・パンセリナ」。沢木耕太郎の「深夜特急」を小学生の頃に読みあさり、毒物やドラッグのテーマは僕にぴったりだ。相手の好みや思想に合わせて本や音楽など、バーテンダーのように提供出来る能力は出会うたびにひたすら感心してしまう。目の前に差し出されたそれは世界をおしひろげる、又はその人の世界の一部となり、より確固たる世界をつくりあげるから。僕がそれをするには、寄り道をしすぎたのでまだ早そうです。

進捗はというと、短編集なことに甘えて、まだ二冊目に取りかかっているところです。学生の頃には考えられないことだが、読みかけの本が恥ずかしながら他にもある。「神道の逆襲」「文人悪食」「神曲のツボ!カッコいいの構造解析」「自分の中に毒を持て」「日本の地霊(ゲニウス・ロキ)」…昔ほど乱読はしてないつもりだが、一貫性はあるようで、ない。そもそも、こんないわゆるお硬い本というのをあまり通ってきていなかったのも遅読に拍車をかけている(小さい頃、速読教室なる所に通っていたが果たして意味はあったのだろうか)。以下に手にとった経緯をだらりと載せておく。

神道の逆襲:一神教に関しては「ふしぎなキリスト教」でざっと入門はしているが、日本古来の宗教に関しては無知だったため。bjorkが日本の番組で過去に神道に興味をもっていたこともあり、知るべきと手にとった。冒頭は興味深いが、途中から初心者にはとっつきにくくなり足踏み。

文人悪食:元立誠小学校の図書館で目に着いたので。小説からだけでは見えてこない、食を通して見る文豪たちの姿。面白いのだが、親族の文章の明晰さ、美麗さに慄き足踏み。

神曲のツボ!:作曲を独学で進めているので、手ほどきになればと思ったのだがハイレベルで足踏み。プレイリストがサブスクで配信されているので名曲を網羅できます。

自分の中に毒を持て:かの岡本太郎氏の著書。万博のオブジェのイメージしかなく、まずは岡本太郎を知ることから始めないとと思い足踏み。

日本の地霊:ゲニウスロキの言葉に惹かれて購入。中身は聞いたこともない土地の歴史と著者の解釈がひたすら続いており足踏み。

…こんな文章の書き方を始めたのは、冒頭に出てきた友人の、とある枕頭の書が影響している。20年以上前のブログ日記を書籍化したものと聞き、興味が湧いたのでネットで購入(著書の肩書、あらすじで結末は予想がついてしまうのが無念。だから僕は物語を買う時はできる限り前情報なしで、買った後もまずはカバーを外します)。

ネタバレは避けて感想を言えば、この書籍は猛毒だ。読まれるのが前提で書かれているとはいえ、あまりにも研ぎ澄まされた感性と生々しい著者の本質は、果たして読んでいいのだろうか?という疑問が常につきまとう。ただ読み手に徹しているつもりが、こちらの日常までも浸食してくる。僕は、ドーパミンの「次のページへ進め!先を知るんだ!」という号令に背いて、視線を左に移さず、本を閉じるという初めての経験をした。10代の頃に読まなくてほんとによかったと思う。

しかし、猛毒も使い方によってはクスリになりうる。チョウセンアサガオを妻に使った華岡青洲、毒ヘビの毒を血圧降下剤や鎮痛剤に転用する試み、抗癌剤も健康な細胞にとっては猛毒だから副作用が大きい。そもそも、クスリなんて毒を動物実験と人体実験(という名の治験)を通して治療域に納めているだけに過ぎないと思っている。話は逸れたが、人によってはその姿に勇気をもらえるのかも知れない。儚さに魅了されるかも知れない。美しさに心休まるのかも知れない。怖いと美しいは紙一重だからだ。

正直、ここまで書いて、未だに書籍の名を出すかどうか迷っている。まだ整理がついていないせいもあるかも知れない。整理がついた頃に、載せることにして、筆をおくことにする。

P.S.

ネット釈明期、一方通行、それぞれのページ、静謐、広告のないウェブ、居場所、変人時々怪人、名無し。

そんな空気感を私は現代に欲していることに気づく。

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