memories

　厳しい寒さを耐え抜き、柔らかくなった日差しを浴びて青々とする草はらに身を預ける。カバンの中身は硬いものばかり…

「音で形を感じれるものがあるとするなら、音の波形以外に何があると思いますか？」 「まず『形を感じる』ということ…

「言葉を定義するから意識的な差別が生まれるのではないか？」 「言葉を定義するから無意識的な差別に気がつけるんだ…

　寒風はびゅうびゅうと音をたて、ぼくの手の温度を奪っていく。ただでさえ固いライターのスイッチは、両手じゃないと…

　週末のお店というのは、子連れが多くそれはまるでテーマパークのような様相を示す。おとなしくできない子供たちの迸…

手で仰いでみるが特に香りは感じられ無い。鼻で直接かがないようにする癖が抜けておらず、店主にもっとぐっと香るよう…

南南東微南、165° 地図で恵方を眺めてみると平等院が目に入り、あとは青々とした山岳地帯。 日本を抜けるとひた…

無心で走っていると、今までに走ってきた経験の断片が、ワッとフラッシュバックすることがある。 思い出や記憶とはま…

大きな影と小さい影がもつれ合うように空を飛び回る。 遠くを望めば必ず壁のように山がそびえ立つこの街に来てから、…

賛美歌の慇懃とした響きと、工事の荒れくれた機械音が開け放った窓から入り込む。 持参した浅川マキのレコードはゆっ…