僕は。いや、あたしは。気が抜けてしまう。唇をしっかりとあわせて、わたしは。そう。わたしはずっとこの問題に頭を抱えている。選択肢があるようで、じつはまったくない、押しつけられてきたわたし。なんで?とだだをこねる事はもう許されないと知ったあの日から、わたしはわたし。らしさとは呪いだ。そして、その呪いが解放された時、真の自由が待っている。そのはずだったのに、彼女はいなくなってしまった。ニセモノになりきった日々を癒すのではなく、否定することになってしまった。薬はもとは毒なのだ。その量や使い方を誤ると、人によっては死に追いやってしまうものなんだと、今さらながら気付かされる。ああ、でも後悔しても遅い。わたしは、重くじりじりと痛む右腕に制服の袖を通して、カバンを肩にかける。ニセモノの日々はまだ続きそうだよ、アオイ。