小さい頃は雑誌の付録とか、本にひっついたナントカのキットなどの類が無性に好きだった。
スズムシを水をかけるだけで育てたり、小さい部屋に満点の星空を作ったり、鉱物を集めたり。
いまフラッシュバックしたのは、虫眼鏡とライトがひとつになった筒状の玩具だ。自分の肌の表面を見たり、雑誌のイラストを見たり。印刷物が実際は色の点の集まりだったのは目から鱗で、拡大した世界はどれも大地の起伏のように荒涼としていて、美しかった。
そして公園の砂の無数の煌めきを忘れていた今の自分。心ときめくキラメキを外部に求め、画面の中に求め、紙と合金に託している今の自分。絶対的な尺度による良い悪いとかは存在しないとはいえ、随分と遠くに来たものだと夢想してしまう。